皆さんにとって “ 香 ” とはどんな存在でしょうか? 香はとても不思議ですよね。嗅いだ瞬間に、あなたを昔訪れた海外のある場所や、思い出の時間にさえ連れ戻してくれます。その記憶には、何度も思い出したくなるような甘美なものもあれば、2度と思いだしたくない感情さえ思い起こさせる、いわゆる自伝的記憶装置のような効果があります。ここではラグジュアリーホテルでは、どのような「香」を選んでいるのか、是非一緒に探ってみましょう。” 香 ”は深いトピックの為、またシリーズでお届けする予定です。
今思い起こせば、管理人は、子供の頃、バスの排気ガスの臭いが大好きな少々変わった子供だった。香のセンスのかけらもなかったようである。今や管理人とってプライベートでも仕事でも“ 香 ”空気以上、なくてはならないもの。そして自分自身そのもの!ある日、その思いが一段と強くなった出来事があるので紹介しよう。以前、私は「気功革命」という本の執筆者で、盛鶴延老師に師事していたことがあった。その教えの中で、”香気功”という仏教の流派の気功法に出会います。この気功法を続けていると体から”白檀の香”がするようになると先生がおっしゃったので、自然の香水みたいで、なんて素敵なのかしらと思い、その気功法を毎日鍛錬していました。
すると周りの方から、「何か良い香りがしますね」と言われることが多くなりはじめた。それからは、人にはそれぞれ自分がまとっている(着ている)香があると考えるようになった。そして香について、真剣に勉強を始めました。アロマセラピーやハーブの勉強をしていて気づいたのは、自分が選ぶ香りは、その時の精神状態によって常に変化しているということである。一日を取っても、朝、昼、夜と欲する香が変わるのです。人はこんなにも感情に支配されているのです。
ホテルスパでも、ゲストとのカウンセリング後、施術用オイルを、3~5種類の中から好きなものを一つ選んでもらい使用する場合があります。こちらの施術に含まれているオイルが好きでなければ、トリートメント中も、ゲストがリラックスできないからである。そして何よりも選んだ香こそがその日のゲストの体調や精神状態を私たちに教えてくれるのです。
このように香は、自分を演出するだけでなく、心や体のバロメーター。その時の健康状態を知る大切な役割を果たしてくれています。
ご存じの通り、多くのホテルでは、自ブランドを象徴するような香を、玄関や、廊下に配置されており、その香の大体が一種類のエッセンシャルオイルではなく、3-5種類の香を組み合わせた、オリジナリティ溢れる香を演出しています。また沢山の香を組み合わせることで、香の深みや新たなハーモニーが感じられ相乗効果が増し忘れえがたい香になっているのです。
今日は下記ラグジュアリーホテルの人気の香とその中に使用されているエッセンシャルオイルとその効能を見てみましょう。(今回は、マッサージ用ではなく、ディフューザー用です)
シャングリ・ラ ホテルの香 エッセンス・オブ・シャングリラ
バニラ、白檀、ムスクをベースに、軽やかなベルガモットやジンジャーティーを加えた、優雅なアジアンリゾートを彷彿とさせる甘美な香り。
コンラッド東京の香 エクスペリエンス
伝統的な香りと現代的な香りが独創的に融合したフレグランスは、ユズ、ベルガモット、バイオレット、ラベンダー、オレンジ、サンダルウッド、グレーアンバー、パッチョウリを調合したもの。
サンダルウッドとベルガモットは有名ホテルの香にも採用されているラグジュアリー感あふれる人気のあるオイルです。ご家庭のリビングでも、じっくりと味わいたい香としてその歴史と効能をご紹介致します。
サンダルウッド(白檀)
サンダルウッドの香は甘く官能的な香りで、男女問わず誰をも魅了します。古くから宗教や医術に利用されてきており、ストレスの多い現代に生きる私たちの心を癒す強い味方です。日本では白檀(香木)とも呼ばれており、寺院などでも使用される高貴なオイルです。サンダルウッドにはリラックス、精神安定、官能的な気分を高めるなどの作用があります。長引く咳、気管支炎、咽頭炎などの症状緩和にもサンダルウッドのエッセンシャルオイルを蒸気吸入するか、オイルで希釈し胸やのどに貼るといいでしょう。サンダルウッドは呼吸器、泌尿器系疾患の緩和、うっ血による不調、スキンケアなどに使われていました。
ベルガモット
ベルガモットの名は、北イタリアの古都ベルガモで香料および食材として、熱帯アジアを原産とする柑橘系の果実の皮からとられたオイルが、初めて売り出されたことに由来します。ベルガモットオレンジの木は、アメリカ大陸への航海者クリストファー・コロンバスによってイタリアへもたらされました。ヨーロッパでは古くから、ベルガモットの果皮はあらゆる心身の不調や病気を癒すものとして用いられてきました。蒸し暑い日を快適に過ごすための香水に使われたり、現在でもベルガモットのエッセンシャルオイルはお菓子などの風味付けに利用されています。最も良く知られているのが、紅茶のアールグレイの香りづけに使われていることでしょう。ベルガモットは、精神を高揚させ、不安を鎮め、鬱の症状を改善するのにも役立ちます。また殺菌、防臭、切り傷などの消毒液としても使われます。心配事や不安などで、なかなか寝付けないといった時にはベルガモットのオイルを枕の下に置くといいでしょう。
香の世界は、調べれば調べるほど深いなあー!木の香なしの生活は考えられへん!