知っておきたい!コロナ後、ホテルの変化!

2023年後期から続いている急激なインバウンドの波が日本の観光業を盛り上げている。日経新聞によると、2023年、日本を訪づれた海外旅行者の総消費額は、5兆2923億に達し、これまでの最高記録を記録したとのうれしいニュースが伝わってきた。ホテルで働いている管理人も、2019年並みに海外からのゲストの8割以上が戻って来ているというマーケティングからのジオグラフィック(地理的)データからも明らかである。管理人はホテルという媒体を通しコロナ前と今では、ゲストの感覚に微妙な違和感を感じている。ホテルでは、長期滞在をするゲストの生活感を日本国内にいながら感じ取れることもできる。では早速それがどんなことか一緒に見ていきましょう!

ホテルの変化 その1

コロナ前と今、管理人はホテルゲストの様子が大きく変わったと感じている。コロナ後、久しぶりに日本に戻って来たゲストは、心待ちにしていた日本での旅行を満喫されている。やはりコロナ禍でどう過ごしていたかが深く関係していると思う。ご自分の家族にも日本の文化体験をさせてあげたいという思いからか、自分だけでなく家族や親せき一同で旅行される方が急増している。その際、ショッピングに行くなどの”物質主義、外向きの価値”を中心にした旅程から、”個性やライフスタイルにあったゲストや家族の心に残る思い出作りの体験型”の旅程へと変革を遂げている。

下記にリストアップした場所は、依然3か月から6か月先まで予約が埋まっている人気の場所で、来日してからでは予約を取るのが大家族やパーティと呼ばれる大人数の予約は大変困難になってきているのが現状である。

  • 相撲
  • 美術館
  • アミューズメントパーク
  • アートテクノロジー系ラボ
  • ミシェラン★★★レストラン
  • ガイドと車手配
  • ベビーシッター手配
  • 新幹線で移動する、京都、大阪、東京、広島などの都市周遊
  • 飛行機で移動する、ニセコ、札幌、福岡などの都市周遊
  • 箱根、鎌倉、伊勢志摩、直島などの風光明媚な場所への周遊

ゲストの中には、日本の観光事情に詳しく、リストにある人気のスポットを6か月前からも予約しているトラベルエージェントやゲストが増えている。覚えておきたいのは、キャンセル料の事である。当日より2日以前にキャンセルをしないとキャンセル料が家族分全部かかってしまうところもある。パーティなど大家族で予約を取る場合、旅程などを変更する際は、注意が必要である。

中にはまだ、今の日本の観光事情が分からず、無計画で来訪して、人気レストランやアミューズメントパークの予約が取れず、旅行自体を楽しむことができなくなるケースもある。特に年末のクリスマスから年始や人気の桜シーズンズ、紅葉の頃は、国内旅行の需要も多く、予約数も制限されるため、その情報を前もってゲストへお伝えしておく必要がある。それを知らずに来訪されると、期待していた観光の場所やプランの実行が難しい。よって、日本の観光事情や予約の取りにくさなどはホテルでは事前に説明し前持った予約をお勧めしている。

ホテルの変化 その2

もう一つ感じられる変化は、ウェブサイトやネットの普及により、個人が今までよりもスピーディに情報を得ることができるようになり、【待つ】という行為に関しての忍耐力がどんどん低下してきていることである。これはネット社会全体にいえることで、猛スピードのネットが人間の動作をはるかにうわまわっている為に起きていることに対するストレスであろう。これに対応していくためには、ゲストよりもより細かくそして隠れ家的な情報をホテルが事前に情報として常に提供できるようしておく必要がある。

ネットでしか予約できない、AIが対応するレストランなども増えて来ておりホテルのコンシェルジュというポジショニングに対する新たな取り組みが必要となってきている。ホテルもレストランも同じようにネットに頼っている時代、どれだけホテルが独自のコネクションを持っているか、クリエイティブなプランをゲストに提供できるかが、これからのホテル大きな課題となっている。

次に感じる事は、ホテルゲストだけでなく日本人も含め、コロナ期間に引きこもって三半規管が敏感になったのか、または他人との接触が減り自分のスペースを作っていたためか、少しの外音や香りなどに前よりも敏感になっていることは否めないと思う。

それにより、ホテルでも音や臭いなどの苦情が前よりも増えてきている。これは一時的な物と考えた方が良いのかもしれないが、やはり人々が暮らしによって変化していく生き物なのだと身近に感じた例である。携帯電話やイヤフォンを付けていれば気にならない生活をしていると、敏感になり、ホテルなどの公共機関で過ごす場合に外の音や他人の臭いなどを感じやすくなるのかもしれません。

さてカンボジアのホテルで働いていた時のエピソードを思い出したので、共有します。カンボジアではアンコールワットという皆さんもご存じな有名な遺跡があります。管理人のホテルでは、アンコールワットに行く際、他の観光客が入る正門ではなく、裏門から入れるようにホテルのコンシェルジュが手配しており、他の観光客とは逆ルートで遺跡をゆったりと散策できるようにしていた。更にサンライズを見る時間帯がちょうど人がいない場所に到着するように案内してくれるように設計されていて、絶妙なタイミングでサンライズを見る事ができるのでした。さすが観光の国、カンボジアだなあと感じた感動の一コマでした。話はずれますが、カンボジアのハウスキーピングでは、日本ではアイロンをかけない下着類にもアイロンをかけていて非常にきめ細やかなサービスを提供している。すべてにおいて、サービスとは一手間かけることをまた思い出させてくれます。

ゲストは今まで、情報を収集し体験しただけで満足していたが、今は旅の後、SNSでいかに発信するかまでが一つの旅の一部、いや生活の一部になっているようだ。ゲストの満足度を図るためには、ホテルでは次の段階でのケアも必要である。

  • 宿泊予約後、到着までの情報提供、メールやチャットでのケア
  • 滞在中のケア 対人やチャットケア
  • チェックアウト後のケア メールやチャットでのケア
  • コロナから初めてホテルに帰って来たゲストは、日本滞在を楽しんでおかえりになります。
  • ホテルの先輩から習ったこと。ゲストがチェックアウトした後も、次のデスティネーション(目的地)またはご自宅に到着されるまでは、ホテルのサービスの一部と考えています。特にチェックアウトしてからよくあることとしては、飛行機の遅れやキャンセル、忘れ物の発送、インボイスの訂正、次のホテルの予約を頼まれることがあります。目の前の目に見えない所こそ大切と考える素敵な考え方を管理人も継承しています。
ホテルでは、必ず予約の際に確認しなくてはいけないことがいくつかあります。その中で特に大切な質問は、命にもかかわる場合もある、アレルギーの有無宗教的な食事の制限に関して必ずお伺いしています。その後、プレファランスと呼ばれる、ゲストのお好きなもの、滞在の目的をお伺いして、滞在に合った宿泊のお手伝いをしています。

ホテルの変化 その3

日本のラグジュアリーホテルの客室単価は、コロナ後高騰し続けており、実はホテリエの管理人さえホテルに泊まるのを躊躇することがある。しかし円安の為、海外のゲストにとっては比較的以前よりは泊まりやすい状況が今年も続くと考えられます。

旅程の最初は、やはり行きたい場所に自分の泊まりたいホテルがあるかどうかということと予算です。その後、メンバーシップのあるチェーン展開をしているホテル、マリオットやハイアット、ヒルトンなどで特典を利用して宿泊する場合と、単独のブランドだが少し尖ったコンセプトのライフスタイルを選ぶかで宿泊の趣向が変わってくる。

一部の超富裕層は、プライベートジェットで好きなデスティネーションまで、直行するので、ブランド力の高いホテルに迷わずスイートステイするが、それ以外の60-80%の海外のゲストは特典を利用しチェーン展開しているグローバルでネームバリューがあるブランド力のあるホテルを選択するであろう。またゲストのコーポレートが提携しているホテルに宿泊する。

そんな中で今、日本のビジネスホテルは、アメニティやベッドの質も以前に比べ大分充実しており、十分なブランド価値が上がってきている。ホテルと言えば外資系のグローバルホテルという時代ではなく、これからは、日本ホテルのクオリティも上がり、チョイスが広がり面白くなっていくであろう。しかしビジネスホテルで、外国人が難しいと思われるのは、空間が狭く、ユニットバスの中に、トイレとシンクとバスが一体になっていることなどがある。しかし最近では、ベッドやリネン、朝食のクオリティもアップし、都会の温泉などの認知度も上がり、旅館も含め、日本ステイが増々楽しみになるだろう。

旅をしたいなあ!ほほー!

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